現像遊び
Category : 写真

昔のモノクロームの名作映画を見ていると
白と黒だけの世界で、ものの質感や臨場感、湿度などを表現しようと
様々な工夫がなされているのがわかる。
なかでも光の使い方は目を見張るものがあって
僕は映画の内容よりも光の使い方につい夢中になってしまうことがある。
以前、料理雑誌の取材にて
人が料理を味わう事に関して味覚・嗅覚はもちろんだが
色覚情報も重要であると言う研究をされている先生にお話を聞き
そしてその取材に同席したシェフに限りなくモノクロームな素材で
料理を作ってもらうということがあった。
イカスミだったかな。
すなわちモノクロームでは色覚情報が脳には伝わりにくいみたいな話だったが
僕はベタ塗りした白と黒に光が加わる事によってカラーとは違えど、
その質感は伝わり食欲にも影響するんじゃないですか?
と先生に尋ねたら
あるカメラメーカーさんが既にそういう研究をされているとのことだった。
取材写真の現像の後、そんな話を思い出しながら取材時のオフショットをモノクロ現像してみたくなった。
みなさんにどう伝わるかはわからないけれど。
18. Jan. 2022.
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