Midsummer
Category : うさぎ

23, July, 2009, © All rights reserved
子どもの頃、ムツゴロウさんのテレビ番組を観ては
クマみたいな動物とでも取っ組み合いで遊ぶ氏を観て驚いたものだ。
言葉も通じない
時には凶暴
そんな動物ととても楽しそうに遊んでいて不思議な人だと思っていた。
のらうさぎを撮り始めた頃は、近づくと逃げてしまうので望遠レンズを使わざるを得なかったけれど、
いつか広角レンズで、友人たちの自然なスナップを撮るような感覚で彼らを撮ることが出来ればと思っていた。
彼らが生活する現場の空気感をできるだけ近くで見て、感じたかったのだ。
そしてやっと広角レンズで近づいて彼らを撮れるようになった頃、
あの時テレビで見た、ムツゴロウさんの感覚に少しでも近づけたような気がした。
およばずながらも。
「うさぎさん、撮らせて下さい。お願いします」と心の中で念じていたら
最初は警戒していた彼らがその警戒を解いたような気がした。
穴に逃げ隠れることなく、緊張感も感じない。
昼寝したり、穴に入ったと思ったらまたすぐに出てきたり。
まあ、こちらに向かってしゃべってくる事こそないが
言葉が通じなくても、何となく通じあってるなあと実感して
とても嬉しかった。
以来、彼らに対しては、自然界のウサギたちというより
異国に住む遠くの友人のように感じるようになった。
この年
スコットランドでは珍しい、おそらく25度以上はあった夏至のころ。
穴の中は涼しいんやろなー。
全く木陰のないこの現場ではウサギたちが羨ましかった。